スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2012.11.03

 「真理」も「正義」も「善」も、「普遍」も「純粋さ」も嫌いなのだ。と、それらの言葉が使われている文章を読みながら、ほとんど叫び出したいような気分で思う。
 しかし同時に、それらの言葉がその中で意味しているものについては、私は必ずしもすべてを否定してはいない、否定はできないだろう、とも思う。
 ただ、そういう言葉では語りたくないのだ。あなたが「善」という語で指すものが、「善」と呼ばれるがゆえに憎悪の対象となる、そういう心の動きをもつ人間の一人である私は、それを憎み、否定せずにすむために、別の呼び方を考えなければならない。
 別の言い方をすること、「真理」や「正義」や「善」にぶつからずに歩ける、なるべく多くの裏道を作ること。その道は、一人に一つ以上あるほど、塀の上や茂みの間や地下や空中まで縫い尽くすほど、豊富でなければならない。そして十分に細く、目立たず、複雑に交錯や迂回を繰り返して、そこを通る者の遭遇と孤独とを保証するものでなければならない。
 別の言い方をすること。たとえばあなたが「真理」として語ったことを、「真理」という語を憎むがゆえに私は、別の言い方で語らなければならない。それによって、語られるべきことは増える。私が通るための道を私は作らねばならず、それによって、裏道が一つ増える。
 

Comment

 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可

 

Trackback

 
 
http://tsurishinobu.blog92.fc2.com/tb.php/408-26c5ccf2
 

プロフィール

 

岩尾忍

Author:岩尾忍
1980年生れ。
2010年、詩集『箱』(ふらんす堂)。

 

カテゴリ

 
 

検索フォーム

 

 
 
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。